AKB48の小嶋陽菜さん(27)や横山由依さん(23)らが所属する「チームA」の新公演が2016年2月10日、東京・秋葉原のAKB48劇場で初日を迎え、それに先だって行われたリハーサルが報道関係者に公開された。AKBに新公演が書き下ろされるのは約5年半ぶり。
公演のタイトルは「M.T.に捧ぐ」。「M.T.」とは、15年いっぱいでAKB48としての実質的な活動を終えた高橋みなみさん(24)のことを指す。クライマックスでは、背景のスクリーンに高橋さんの姿を大きく映し出す演出が展開された。横山さんは「どこかで見てくれているであろうM.T.のことを思って歌わせてください」と曲を紹介し、半ば高橋さんの「神格化」が進んでいるかのような様子をうかがわせた。
「どこかで見てくれているであろうM.T.のことを思って」
「チームA」のうちメンバー18人が出演し、アンコール含めて全17曲を約2時間かけて披露した。全曲が新曲で、衣装も新調。照明をはじめとする舞台装置も強化された。アンコール前の最後の楽曲で、公演と同じタイトルの「M.T.に捧ぐ」がクライマックスだ。横山さんは曲紹介で、公演が成り立っていることを「初期メンバーの皆さん、そしてたくさんの先輩がいてくださったおかげ」だとした上で、とりわけ高橋さんに対する感謝を強調した。
「その中でも、リーダー的存在であったM.T.は、ファンの皆さんと向き合い、私たちを支え、スタッフの方と語り合って、AKB48をここまで大きくしてくれました。私たち後輩は、そのM.T.の情熱を風化させることなく、これから、もっと前に進んでいきたいと思います。それでは、どこかで見てくれているであろうM.T.のことを思って歌わせてください」
曲が始まると、高橋さんが後輩を叱咤激励する様子が中央のスクリーンに次々に映し出された。
横山総監督「AKBの第2章が始まる」
高橋さんから「グループ総監督」を引き継いだ横山さんは、リハーサル後の囲み取材で、公演を機に新たなAKBを引っ張る意気込みを見せた。
「私が今日感じたのは、こんなにも初日って不安なんだ、ということ。今までは先輩がやってきたことをなぞってきたので、そこまで不安がなかった。『どう思われるんだろう』『どう感じてもらえるんだろう』って不安でしょうがなくて...。でもこれで、AKBの第2章が始まるということだと思えた。本当のこのタイミングに感謝している」
高橋さんは、リハーサルを含めて新公演をまだ見ていない。同期の小嶋さんは
「たかみなが見に来たときは、絶対泣かすつもりで...。私は、多分10秒で泣くと思う。そういうステージを作れたら」
とちゃかし、メンバーや報道陣の笑いを誘っていた。
全17曲中2曲がソロ曲で、それぞれ横山さんと宮脇咲良(さくら)さん(17)に割り当てられた。それ以外にも宮脇さんは複数の曲でセンターポジションを担当している。宮脇さんは福岡・HKT48とAKBを兼任しており、今後はAKBで採用された、いわば「プロパー」の若手メンバーの存在感をいかにして増していくかも課題になりそうだ。