高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
マイナス金利に文句言うのは 銀行の関係者だけだ

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「個人の預金金利がマイナスになる可能性はない」

   白川前総裁は、日本経済より銀行を優遇する政策を行ったが、この当座預金への0.1%付利はその典型だ。

   銀行の日銀当座預金残高は250兆円。その大半に0.1%の金利が付いているので、これだけで銀行は年間2200億円の利益を得ている。そもそも、当座預金に金利をつけることがおかしい。

   この付利は、次の金融緩和で見直される可能性がある。今回の騒動は、この2200億円を守りたい銀行が必死になっていると見たほうがいい。

   あえていえば、一般人からゼロコストの預金を受け入れ、それを貸出にまわさず、日銀当座預金している銀行は社会的にはいらない。貸出先がないと仕事をしない銀行もいらない。金融再編で消えても一般人は困らない。

   なお、日銀のマイナス金利政策の導入を受けても、個人の預金金利がマイナスになる可能性はない。マイナス金利になるなら、預金せずに、家の金庫に置いておいた方がいい。もしみんなが預金しなくなると、銀行は仕入れがなくなるわけだから経営できなくなる。だから、銀行は仕入れをするためにマイナス金利にしないはずだ。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、 いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。 著書に「さらば財務省!」(講談社)、「図解ピケティ入門」(あさ出版)、 「戦後経済史は嘘ばかり」 (PHP新書) など。


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