ニュージーランドで行われた環太平洋経済連携協定(TPP)の署名式では、辞任した甘利明前担当大臣に替わり、高鳥修一内閣府副大臣が和服姿で出席したことが話題になった。しかし、2016年2月8日の衆院予算委員会では、それ以上に高鳥氏のブログの内容が俎上に上がることになった。
高鳥氏は署名式直後に「ブルーチーズは美味しかったです!」と書き込んだが、実はTPPの合意ではブルーチーズの関税は半減することが決まっている。こういった点を念頭に「甘利大臣はニュージーランドと酪農の交渉で戦っていたのではないのか」などと、民主党から批判され、高島氏は「誤解を招いていることについてはお詫び申し上げたい」と陳謝した。一方で、担当副大臣の資質を問うことが狙いとみられる民主党の質問自体、些末な議論だといった指摘もある。
TPP交渉とブルーチーズの関係を答弁できず
問題とされたのは、高鳥氏が2月4日に「TPP署名式」と題してブログに書き込んだ内容。車の後部座席から写した写真付きで、
「先ほどニュージーランドにて閣僚会合の後、無事に署名式と共同記者会見が終わりました。私一人に空港まで6台の白バイとパトカー、上空からヘリコプターが警護に付く厚遇でした。 ブルーチーズは美味しかったです!」
と書き込んだ。この記述を民主党の福島伸享議員が、
「すばらしいですね、人生でなかなかこういう経験もないと思いますよ?」
などと皮肉りながら、ブルーチーズの関税について質した。
「いやー、いいですねー。今回、ちなみに、ブルーチーズも交渉の対象になってますけど、ブルーチーズの関税ってどうなるんでしたっけ?」
福島氏はこの点を事前通告しておらず、高鳥氏が
「即座にはお答えできずに恐縮ですが、確認させていただきます」
と応じると、福島氏は
「通告していないので答えられないと思いますけれども、私が言いたいのはそういうことではない」
と引き取った。