「『群馬』『群馬』ってねぇ、そう言われましても...」
一方、一連の報道で「割を食った」形となっているのが群馬県警だ。清原容疑者に覚醒剤を流した「シャブばばあ」の存在が伝えられると、ツイッターで「何をしていた」「なんとかせいよ」「しっかりして」と追及の声が沸き起こった。
「非常に困っていますよ。報道が先行している感じで、むしろこっちが色々教えてもらいたいくらいです。『群馬』『群馬』ってねぇ、そう言われましても...」
薬物関連の犯罪を捜査する群馬県警組織犯罪対策2課の担当者はJ-CASTニュースの取材に困惑した様子でこう答える。
2015年に県警が覚せい剤取締法違反で検挙した人数は205人。前年に比べて18人増え、薬物関連の検挙総数のおよそ9割を占める。福島、栃木、三重、山口、長崎、鹿児島といった「同規模県」(編注:警察官定員が同じ程度の県)の中では最も多いクラスだ。「シャブの原産地」とまでは言えないものの、群馬県の覚醒剤検挙数は他府県に比べて多いことは間違いなさそうだ。
とはいえ、清原容疑者をめぐる事案は警視庁の管轄で、現状県警には「情報が入ってこない」。報道も「関係者」による証言を中心に構成されているため、県警側の把握していない事例も多いようだ。
「我々は実働部隊ですから。もし清原容疑者にひっついているような協力者がいれば、事件になるようであれば、どんどん突っ込んで検挙していくつもりです」
取材の最後、担当者は声をやや大きく張り上げてそう訴えた。