14年以降、値上げしても減らない入園者数
確かに、過去のデータを見ても、入園料の値上げがTDLとTDSの集客に与える影響は少ないといえる。2015年4月に大人1日券が6400円から500円値上がりしたにもかかわらず、集客は好調を維持している。15年度の入場者数は両パークあわせて3040万人となる見通しで、これは過去3番目に多い数字となる。また、過去最多の入場者数を記録したのも、増税で入場料金が値上げされた14年度のことだ。
こうした経緯もあるのか、9日のオリエンタルランドの株価は、東証1部の97%の銘柄が値下がりする厳しい相場展開だったにもかかわらず、前日比191円増の8000円と値を上げた。チケット値上げによる収益押し上げの期待感が影響したとみられる。
しかし「入園料インフレ」に対して、ファンの間では戸惑いが広がっている。ツイッターを見ると、
「はあ?ディズニーまた値上げ?いくらなんでもやりすぎじゃね?」
「大人はいいだろうけど、少ないお小遣いとかバイト代でディズニーに行くのを楽しみにしてる学生達は大変だろうな」
「ディズニーまた値上げとか信じられない。前回値上げした分、ゲストをより満足させたサービスっていくつありました?? 言いたくはないけど、なんかもう夢の国じゃなくなっていく」
といった批判的な投稿が数多く見つかる。また、学生とみられるユーザーからは、「これ以上値上がりしたら行けない」「貧乏人は行けないなぁ」などと切実なコメントが寄せられている。
東京ディズニーリゾートだけが入園料の値上げを進めているわけではない。大阪府のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、2010年から7年連続で値上げを行っている。10年には6100円だった大人一日券の入場料が、毎年の値上げで現在は、今回のディズニーと同じ7400円になっている。
東京ディズニーリゾートの今後の入園料について、野村証券の山村淳子アナリストは「入園者数への影響は8500円程度まで出ない」として、これからも短い周期で値上げを行う可能性があると、16年2月8日の日経新聞電子版に語っている。