教育現場の子供に対する人権意識が足りない
教育評論家の森口朗さんに話を聞くと、十数年前に比べれば数は減っているが、現在でもこうしたアンケートをする教師は存在しているという。目的は子供たちの人間関係をつかむためで、かつては生徒の前で結果を平気で読み上げる教師もいたらしい。森口さんは、教育現場で生徒に対する人権意識が足りないことから起きることと指摘。生徒一人ひとりに等しく人権が存在することは軽視され、先生が問題にする生徒の人権といえば、在日コリアン問題や部落問題といったことばかりに終始する傾向があったという。
今回と似たような生徒の人権を無視した例としては、06年に起こった秋田児童連続殺害事件の畠山鈴香受刑者の例が挙げられる。畠山受刑者は、出身高校の卒業アルバムに、「目の前に来んな!!」「会ったら殺す!」「秋田から永久追放」などと書かれた寄せ書きが掲載されていた。
「さすがに当時と比べれば子供の人権を考えるようになっていますが、まだまだというのが現状です。とにかく、このようなアンケートは絶対にしてはいけないものですし、もしどうしてもというのなら、目的を生徒にはっきりとしっかりと説明し、結果は明かしてはいけません」
と森口さんは語っている。