会員制「母乳パーティー」や「母乳アワビ」も
一方、「母乳ビジネス」の闇も広がっている。中国紙・新京報は2014年6月、「北京の成人向け『乳母』に迫る」と題する潜入ルポを掲載した。記者は、多くの「乳母サービス」のサイトの中から1つに100元(約1800円)を支払い会員になった。「顔写真」で1人を選び出し、ホテルに呼び出して「授乳サービス」を受ける仕組みだ。記事はこう続く。
「『乳母』は部屋に入ると、先に料金を要求。1000元を払うとすぐに上着をまくった。......その後『乳母』は1500元を余分に払えば、性的サービスもすると言った。また、仕事のために自分の子どもには1日1回しか授乳しない、そろそろ子どもは卒乳させて仕事の量を増やしたい、母乳は子どもにとって最も栄養価の高い食べ物、今はお客さんに飲ませているので、高いお金をもらうのは当然とも言った」
記事はさらに、こうしたサービスは北京、上海、武漢、深セン、南京など大都市に多くあり、複数の都市を飛び回る「人気乳母」もいると伝えている。
また、2013年7月の中国紙・南方都市報は、経済特区・深センで、富裕層向けに自宅に「乳母」を派遣して住み込ませるサービスを始めた業者を紹介した。乳母の報酬は月額1万6000元(約29万円)。一般中国人の平均月収の約4倍以上だ。乳母が「健康で美人」ならより高収入が見込めるという。
取材に対し、業者の林軍社長は「母乳は健康食品だ。乳母が家にいれば毎日新鮮なものを飲むことができる。胸から直接飲むのが恥ずかしければ、搾乳機で搾ったものを飲むことも可能だ」と説明している。
深センでは、富裕層の間で会員制の「母乳パーティー」が行なわれ、母乳で煮込んだ「母乳アワビ」を出すレストランもあるという。