コラーゲン少ないと毛が「アカ」になる 薄毛予防する新薬開発のヒントに

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   コラーゲンといえば、「美肌のもと」と思われているが、実は薄毛予防にも期待できることが東京医科歯科大や米ニューヨーク大などの研究でわかり、米科学誌「サイエンス」(電子版)の2016年2月5日号に発表された。

   年をとると薄毛になるのは、毛穴の奥にあるコラーゲンがなくなり、毛を作る細胞が働くなるためだという。

毛にならずに皮膚となる細胞に変わり、やがて...

   毛穴の奥の毛包(もうほう)の中には「毛包幹細胞」があり、分裂を繰り返して毛になる細胞へと変わっていく。研究チームは、毛包幹細胞の周辺にあり、分裂にかかわる「17型コラーゲン」というタンパク質に着目。そして、薄毛になったマウスを使い、毛包幹細胞の分裂と17型コラーゲンの働きを調べた。

   すると、マウスの毛包幹細胞は、毛にならずに皮膚となる細胞に変わり、最後ははがれ落ちてアカになることがわかった。やがて、毛包全体が縮み、毛が生えなくなる。その際、17型コラーゲンも分解され、なくなってしまう。

   そこで、遺伝子操作により17型コラーゲンを過剰に分泌するマウスを使い、同じ実験をすると、薄毛マウスより毛包の縮小を抑えられた。

   念のため、美容クリニックの協力を得て、人間の55~70歳の女性の頭部皮膚を調べると、若い女性に比べ、縮小した毛包が多く、17型コラーゲンが少ないことが確認できた。

   東京医科歯科大の西村栄美教授は「5~10年でコラーゲンがなくなるのを抑えて、脱毛を防ぐ新薬を開発したいです」とコメントしている。

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