ダイエット挑戦中の木村清志さん(仮名、以下キヨシさん)に、前回の宿題となっていた「運動の継続」について聞こうとしていた矢先、本人から「健康診断の結果が出ました」との知らせが届いた。
診断直後は「去年より腹囲の数値が改善した」と笑っていたが、改めてほかの検査結果をみると手放しでは喜べなさそうだ。
血糖は問題なし、血圧は高い、HDLコレステロールは...
今回は「緊急ヒアリング」として、ダイエットの進ちょく報告は保留し、健康診断結果を見せてもらった。
まずは腹囲。先日の本人の申告どおり、90センチとなっていた。1年前は「97センチ」とある。あれ、確かこの間は「95センチだった」と言っていたはずだが...。ともかく、大幅に改善したのは間違いない。
肥満度を示すBMI(体格指数)も、1年前の26.8から24.7と好結果だ。前回の数値では「肥満」となるが、今回はギリギリ基準範囲内に収まった。去年は診断票のBMIの項目に記されていた「基準オーバー」を示すマークも消えている。
とは言え、「生活習慣の見直し、改善を図りましょう」という記述は残っていた。腹囲が85センチを下回らなかったため、「メタボ」の条件を満たしてしまったのだ。
ただし、腹囲以外に脂質、血圧、血糖の検査で2つ以上に「赤信号」が灯らなければセーフとなる。さあ、どうだったのか。
まず血糖の検査結果は、全く問題なし。これは期待できるか。
次に血圧を見ると、「90-137」と記入されていた。基準を確認すると、拡張期(最小)血圧が85mmHg、収縮期(最大)血圧が130mmHgとある。キヨシさんはいずれも超えてしまい、アウト。
最後の項目は脂質だ。ここは中性脂肪とHDLコレステロールの2種類ある。いずれもクリアしなければならない。まず中性脂肪は、基準範囲内。ほっと胸をなでおろした。
いよいよラスト、HDLコレステロール......。去年より数値は改善している。ところが、無念のクリア失敗となってしまった。
キヨシさん、メタボ脱出ならず。
「たばこは血管をボロボロにする」
最後のHDLコレステロールとは、いわゆる「善玉コレステロール」を意味する。血管に蓄積したコレステロールを取り去って肝臓に運び、処理させる働きを持つ。これが少ないと動脈硬化を引き起こす原因となる。キヨシさんの場合、数値が基準に満たなかったから要注意だ。
ダイエットを続けてきて、一定の効果は出ているが、運動不足が解消されたとは言い切れない。1年前より改善した部分は少なくないが、まだまだ道半ばだ。
もうひとつ、検査項目に芳しくない結果を与えた大きな理由がある。喫煙だ。キヨシさんは1日10本程度のたばこを吸っている。
キヨシさん「妻や子どもに『くさいから、たばこやめて』と怒られるんですが、なかなか、ねえ」
と、禁煙については歯切れが悪い。だが、診断結果とともに封入されていた1枚の注意書きには、「たばこは血管をボロボロにする」という恐ろしい言葉が書かれていた。「たばこが関係している検査項目」として挙げられていた、「血圧が高かった」「HDLコレステロール値が低かった」はそのまま、キヨシさんに該当する。ほかにも、たばこが原因と考えられそうな注意項目が2、3あった。血管がもろくなると、脳梗塞や心筋梗塞といった死につながる病気のリスクが高まる。
編集部「これは、ダイエットとは別に禁煙も考えた方がよさそうですね」
キヨシさん「うーん、今は運動習慣を身につけられるように努力して、その後考えようかなあ...」
言葉とは裏腹に、現時点では禁煙に取り組むつもりはなさそうな表情。
編集部「では、ダイエット挑戦が終了したら、すぐに禁煙に挑戦シリーズを始めましょうか」
キヨシさん「えっ?」
読者の皆様から、新シリーズへの期待が高いようなら、編集部で検討します。