ダイエットや忙しさのせいで朝食を食べない人が多いが、朝食を抜くことが多い人は、毎日食べる人に比べ脳出血のリスクが4割近く高まることがわかった。
国立がん研究センターと大阪大学などの研究チームが調査結果をまとめ、米医学誌「Stroke」の2016年2月号に発表した。
朝ご飯をしっかり食べる子は成績も2倍いい
岩手から沖縄まで8県の男女8万2772人(45~74歳)を対象に約13年間追跡調査した。その間、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)を発症した3772人と、虚血性心疾患(心筋梗塞、急性心臓死)を発症した870人について、朝食との関連を調べた。
朝食を「毎日食べる」から「週に0~2回」まで4段階に分類。「毎日」を基準とした場合、「週に0~2回」は脳出血を起こすリスクが36%、脳卒中全体では18%高かった。欠食の頻度が高いほどリスクが高くなった。心疾患では差は見られなかった。朝の欠食が肥満や高血圧につながることは知られていたが、脳出血の危険まで高まると確認されたのは、世界で初めてという。
チームリーダーの磯博康・大阪大教授は「朝食を抜くと空腹によるストレスなどで血圧が上がります。高血圧は脳出血の大きな要因となり、中でも早朝の血圧上昇がリスクを高めていると考えられます」と指摘する。
朝食の重要性については、2015年に英国のカーディフ大学が行なった研究でも、朝ご飯を食べる子は食べない子に比べ、平均以上の成績がとる割合が2倍以上になる調査がある。勉強の集中力を高めるからだ。
ぜひ、しっかりと朝食をとろう。