ドイツのメルケル政権は2016年2月2日、売春婦の健康を守るために客にコンドームの使用を義務付け、違反した場合は最大5万ユーロ(約655万円)の罰金を科す法案をまとめた。議会で承認されれば、2017年7月に施行される。
ドイツでは2002年に売春が合法化されたが、犯罪の温床になっており、売春婦の安全と健康が確保されていないという批判が絶えなかった。売春婦は性風俗産業従事者とされて、失業保険や医療保険が適用されるが、唯一行なわれた実態調査では、実際に「勤労者」として雇用契約を結んでいる売春婦は1%にすぎなかった。
そこで法案では、(1)人身売買を防ぐために「仕事部屋」に売春婦が生活することを禁止、(2)犯罪歴のある経営者の店には詳細な実態調査を行なう、(3)売春婦には保健当局のカウンセラーとの定期的な面談を義務付ける、などの措置も盛り込んだ。