結核の妻の横でタバコを吸う「風立ちぬ」に賛否両論
2013年8月、スタジオジブリ制作の「風立ちぬ」が公開された時、あまりに喫煙シーンが多いため、NPO法人・日本禁煙学会が「子どもに与える影響に配慮してほしい」という要望書を制作側に求めて話題になった。同学会が特に問題にしたのは、病室で寝ている結核患者の妻の傍らで主人公が喫煙するシーンと、未成年の学生たちがもらいタバコをするシーン。
当時、ネット上では、
「たしかに煙の多いシーンが続き、気持ちが悪くなった」
という声があった半面、
「(戦中・終戦直後という)時代背景を考えると公共の場での喫煙が当たり前で、学生のもらいタバコも死と隣り合わせの極限状態での友情を表現している。現代の価値観で批判するのは的外れだし、表現の自由の侵害だ」
と制作側を擁護する声があった。
いずれにしろ、「ワンピース」や「ルパン三世」のくわえタバコも、米国などでの上映ではキャンディーや爪楊枝をくわえるシーンに替えられているという。2020年の東京五輪・パラリンピックを前に、IOC(国際オリンピック委員会)が掲げる「タバコのない五輪」を目指すため、政府や東京都は「禁煙対策」を迫られている。アニメのキャラにも余波がくるかも。