フォードより深刻なGMとクライスラー
しかし、それ以上に深刻なのは、GMとクライスラーだ。GMはキャデラックが710台で22位、シボレーが653台で23位、クライスラーは464台で24位と、フォード以上に低迷している。クライスラーはジープと合わせると7500台余になるものの、この程度の台数を輸入・販売するために、国内にディーラー網を維持するのは容易ではないだろう。
GMは日本国内の正規ディーラーとしてGMジャパンがあり、キャデラックやシボレーを輸入・販売している。このほか輸入車ディーラーのヤナセもキャデラックとシボレーを扱っているが、ヤナセの販売はドイツ車が主流となっている。
一方、フィアットがクライスラーと経営統合して誕生したFCAは、日本では「FCAジャパン」として、「アルファロメオ、フィアット」「クライスラー、ジープ」「アバルト」の3チャンネルで、クライスラーを含む5ブランドを輸入・販売している。FCAジャパンは「イタリアとアメリカの個性を両輪に、独創的なカーライフをお届けする」としているが、クライスラーの長期低迷が続けば、FCAが正規ディーラー網の見直しに動く可能性は否定できない。
撤退を決めたフォードは、「リンカーン」「マスタング」のような大型のアメ車だけでなく、「フィエスタ」や「フォーカス」など欧州市場をメインとするコンパクトカーもラインナップに取り揃え、日本でも人気があった。そのフォードでさえ日本から出ていく衝撃は大きく、GMとクライスラーのユーザーには気になるところだ。