「恵方巻き」売れ残り、大量廃棄される 店員が「自腹で買い取り」強要されるケースも

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   「異常な量の恵方巻き残ってる」「26万円の廃棄」「100個以上捨てる」――。2016年2月3日夜、こんな悲痛なツイートがコンビニ店員から相次いだ。節分にあわせて入荷した恵方巻きが大量に売れ残り、それを廃棄しているというのだ。

   さらには、「大量に売れ残った恵方巻きを、従業員が自腹で買い取るよう強要される」ケースもあるようだ。

  • 恵方巻きが社会問題化?
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「ノルマ達成できなかったから恵方巻きを買わされた」

   節分に恵方(幸運を招く方角)を向いて太巻きを食べる、「恵方巻き」の風習。もともとは関西地方で行われていたローカルな文化だったが、今では全国のスーパーやコンビニで大々的な「恵方巻きフェア」を見かけるようになった。

   だが、こうした「恵方巻商戦」の裏で、大量に廃棄される売れ残り品が問題になっている。商品の販売期限を迎える16年2月3日深夜から4日未明にかけて、ツイッター上には、全国のコンビニ店員から「恵方巻きの大量廃棄」の報告が数十件も寄せられた。

「私の働いてるコンビニでは恵方巻きが49本廃棄になりました」
「26万円分の廃棄 二度と恵方巻き見たくない」
「恵方巻きの廃棄えげつなかったwww84個wwwwww」
「恵方巻きのみで合計価格13万以上の廃棄が」

   ツイートの多くは画像つきで、大量の恵方巻きをゴミ袋にまとめて廃棄する様子などがおさめられている。さらに、「ノルマ達成できなかったから恵方巻きを買わされた」「恵方巻きのノルマさばけずに困ってる」といった投稿も見つかった。

   こうしたネット上の報告の通り、大量に売れ残る恵方巻きを押し付けられるケースは本当にあるのだろうか。労働組合の「首都圏青年ユニオン」はJ-CASTニュースの取材に、

「恵方巻きの『販売ノルマ』を、コンビニのオーナーが従業員に強要する例は少なくありません。従業員が買い取りを強要されているという相談も、数年前より徐々に増加しています」

と答えた。社員だけでなく、アルバイトであっても販売ノルマが課されるケースも存在したという。

「前年と比べて廃棄量に大きな変化はありません」

   首都圏青年ユニオンは、こうした問題が発生する背景には「コンビニ業界の歪んだ構造がある」と指摘する。今回のように大量の廃棄品が出てしまうのは、店の発注ミスではなく本部からの厳しい売上目標が原因だというのだ。

「恵方巻きやクリスマスケーキといった祭事品には、本部からフランチャイズ(FC)店へ厳しい売上目標が課されます。店のオーナーも『絶対に売れ残る』と分かっているのですが、本部の設定する売上目標を達成するために仕方なく受け入れているのです」

   こうした状況に追い込まれたオーナーが、少しでも売り上げを確保するために取ってしまうのが、「従業員に対して販売ノルマを設定し、売れ残り品を無理に買い取らせる」という方法なのだという。実際、厚生労働省が15年11月に発表した意識調査の結果によると、コンビニでバイトする学生の11.6%が「商品やサービスの買い取りを強要された」と回答している。

   恵方巻きを巡る今回の問題について、大手コンビニエンスストアの広報部に問い合わせたが、「前年と比べて廃棄量に大きな変化はありませんし、需給を見越した発注を心掛けているつもりです」との回答だった。また、従業員の商品買い取りといったノルマ問題に関しては、「そのような事態は把握しておりません」という。

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