「前年と比べて廃棄量に大きな変化はありません」
首都圏青年ユニオンは、こうした問題が発生する背景には「コンビニ業界の歪んだ構造がある」と指摘する。今回のように大量の廃棄品が出てしまうのは、店の発注ミスではなく本部からの厳しい売上目標が原因だというのだ。
「恵方巻きやクリスマスケーキといった祭事品には、本部からフランチャイズ(FC)店へ厳しい売上目標が課されます。店のオーナーも『絶対に売れ残る』と分かっているのですが、本部の設定する売上目標を達成するために仕方なく受け入れているのです」
こうした状況に追い込まれたオーナーが、少しでも売り上げを確保するために取ってしまうのが、「従業員に対して販売ノルマを設定し、売れ残り品を無理に買い取らせる」という方法なのだという。実際、厚生労働省が15年11月に発表した意識調査の結果によると、コンビニでバイトする学生の11.6%が「商品やサービスの買い取りを強要された」と回答している。
恵方巻きを巡る今回の問題について、大手コンビニエンスストアの広報部に問い合わせたが、「前年と比べて廃棄量に大きな変化はありませんし、需給を見越した発注を心掛けているつもりです」との回答だった。また、従業員の商品買い取りといったノルマ問題に関しては、「そのような事態は把握しておりません」という。