元プロ野球選手、清原和博容疑者(48)が覚せい剤取締法(所持)の疑いで現行犯逮捕された事件が各所に衝撃を与える中、「芋づる式」に他の芸能人が逮捕される可能性もささやかれ始めた。
警視庁は、人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKAさん(57)を2014年に「仕留めた」特別チームを再び動員し、1年以上前から内偵に当たらせていた。内偵期間の長さ、そして週刊誌が報じたASKAさんと清原容疑者の意外な関係も今掘り返され、「捜査をこれで終わらせるつもりはないだろう」「もっと逮捕者出る」との憶測を生んでいる。
「捜査をこれで終わらせるつもりはないだろう」
今回、清原容疑者の捜査を担当したのは、薬物や銃犯罪を担当する警視庁組織犯罪対策5課に設けられた特別チーム。
1年以上という長い内偵期間もさることながら、ASKAさんと清原容疑者の「奇妙なつながり」もここにきてクローズアップされている。清原容疑者の薬物使用疑惑を初めて報じた14年3月26日発売「週刊文春」によると、2人は時期を前後させて同じ専属ドライバーを雇ったというのだ。こうした点から、ネットでは「捜査をこれで終わらせるつもりはないだろう」「点と点が線に繋がる」「もっと逮捕者出る」と勘繰る向きもある。
実際、16年2月4日付け日刊スポーツ電子版は、清原容疑者と同じ経路で覚せい剤を購入した芸能人について関係者が捜査当局へ情報提供し、捜査当局はすでに数人の「有名芸能人」をマークしていると報じた。なお、2人の関係には触れていない。
今回をきっかけとして、芸能界で逮捕者が相次ぐ――そんな事態はありえるのか。
薬物関係に詳しいある作家はJ-CASTニュースの取材に対し、「今すぐ他の芸能人が逮捕されることはないでしょう」と話す。
仮に清原さんと同じ経路で覚せい剤を入手した人物がいたとしても、清原さんの逮捕を知って、一時的に使用を控えたり、捨てたりするためだ。
入手先は「暴力団組織の可能性が高い」
一方、ASKAさんと同じチームが捜査しているだけに「入手先に共通点がある可能性は高い」とも推測する。覚せい剤を一般人より高値で買う芸能人には、専門の売人も付く。売人と芸能人をつなぐネットワークは主に「紹介」で広がるため、複数の「客」を持つ売人も珍しくないというわけだ。
「芋づる式の逮捕は難しいでしょうが、複数の芸能人に内偵を入れた可能性は十分あります。清原容疑者逮捕までの内偵期間で、入手先はほぼ特定できているでしょう。ほとぼりが冷め、販売、購入、使用のサイクルが再び回り始めたところを現行犯逮捕する、という流れです」
また、清原容疑者の覚せい剤入手先は「暴力団組織の可能性が高い」とも指摘する。仕入れ手続きが複雑な覚せい剤は「暴力団の専売特許」とも言われる。その上、清原容疑者ほどの知名度ともなると、情報の秘匿に厳重な注意を払わなければならず、「組織のしっかりした暴力団に頼らざるを得ない」のだという。ぜい弱な末端組織から購入すると、情報が漏えいしやすいためだ。