【羽鳥慎一モーニングショー】(テレビ朝日系) 2016年1月26日放送
「最強寒波到来でヒートショック警戒を」
急激な温度の変化がもたらす血管トラブルにより、体に害が生じる「ヒートショック」。年間約1万3000人が命を落としている。実に、交通事故の4倍だ。
発生は12~2月の冬場に集中しており、特に入浴時に注意が必要だ。だが、てっきり健康法だと思っていた入浴習慣が、逆にヒートショックをもたらす原因になっている恐れがある。
風呂の湯の温度、42度では熱すぎる
入浴そのものが、血圧がジェットコースターのように激しく上下する行為だ。まず脱衣所で服を脱ぐと寒いので、血管が収縮して血圧が上昇する。次に浴槽に入ると、はじめは熱い湯に触れて交感神経を刺激し、いっそう血管が収縮して血圧が上がる。しかし、徐々にリラックスしていくと今度は血管が拡張して逆に下がっていく。
入浴を終えて浴室から出ると、気温が低いため再び血圧が上がる、といった具合だ。血圧の激しい変動により、心筋梗塞や脳卒中が起こる可能性が出てくる。
この日の出演は、司会の羽鳥慎一とアシスタントの宇賀なつみアナのほか、ジャーナリストの青木理、雑誌「AERA」編集長の浜田敬子、テレビ朝日の玉川徹のレギュラー陣。最初に、各人が風呂の湯の設定温度を明かした。
宇賀「42度にしています。冬、寒いので」
青木「夏場は40、41度ですけど、冬はちょっと上げないと暖まらないので、ウチも42度ですね」
羽鳥「僕も42度」
浜田「43度。熱めです」
玉川「41度ですね」
実際は、適温とされるのは41度まで。循環器専門医の池谷敏郎医師は、「湯に入った時、熱さの刺激が強いのが42度以上」と説明した。つまり42度以上だと、血管が収縮して血圧が上がってしまう。寒いからと入浴前から設定温度を高くして湯をわかすのは、避けた方がよさそうだ。最初に湯につかる際は41度程度にしておき、入浴中に徐々に暖めていくのが体に優しい。
長風呂大好きな人には残念な結果
次の質問は、湯船につかる時間だ。街頭インタビューでは15分程度との回答が最も多かった。玉川は「5分くらいしか入らない」と答えたが、浜田、青木、は長風呂派。さらに、
宇賀「30~40分は入っていますね。つかって出て、またつかって」
と、こちらも長時間入っている。だが、実は「10分以上は危険」だそうだ。
池谷医師「長く入っていると確かに暖まりますけれども、体の熱を下げようとして血管が全開していくんです。すると血圧が下がっていく。汗もかいて、脱水状態になり、ますます血圧が下がります。すると、脳の血流が落ちてしまう」
これで入浴中に寝てしまい、そのままおぼれてしまう事故が多いという。
さらに最も危険な入浴法が紹介された。羽鳥が「私はやっております」と言ったその方法とは、サウナと水風呂の往復だ。池谷医師によると、血圧の変動が最も大きいのだという。宇賀は残念そうに「往復しなければいいんですか」とたずねる。
池谷「サウナに入って、次の冷水が危険なんです。血圧が急上昇するので、(冷水ではなく)ぬるま湯で体温を下げてからサウナに入るとか、水分をとるとか」
羽鳥「ぬるま湯だと気持ち良さが半減する......でも、ダメなんですね」
そう、体のことを考えたら、池谷医師の勧めに従った方がよいだろう。