球界のスターだった清原和博容疑者(48)が覚醒剤所持の現行犯で警視庁に逮捕されたことに、ファンらからは嘆きの声がネット上に寄せられている。薬物スキャンダルに見舞われた過去の球界関係者は、球界への復帰を果たすことは難しく、その後も苦難の道を歩んでいる。
清原はこれからどうなるのか。TBS系ニュースが2016年2月2日深夜に特報した逮捕の連行シーンでは、警察車両に乗り込む清原和博容疑者が、何か観念したかのようなサバサバした表情を見せているのが印象的だった。
2年前の週刊誌報道前後から、奇行が度々目撃
報道によると、清原容疑者は、東京都港区の自宅マンションに捜査員が踏み込んだところ、3回分の使用量に当たる覚醒剤0.1グラムを所持していたことが分かった。調べに対し、「覚醒剤は私のもので間違いありません」と容疑を認めているという。
自宅からは、注射器3本や黒ずんだパイプ1本、携帯電話4台などが押収された。注射器1本はテーブルの上に置かれ、覚醒剤は使いかけとみられている。警視庁では、使用の疑いもあるとみて捜査している。
清原容疑者の疑惑は、週刊文春が14年3月に薬物治療のため都内の病院に緊急入院したと報じたことから持ち上がった。所属事務所は、糖尿病治療のためと説明し、清原容疑者も猛反論した。
ところが、その前後から清原容疑者の奇行が度々目撃されていた。体に入れ墨を入れ、キャンプに真っ白いスーツで現れるなどして話題になった。薬物使用の噂は絶えず、この年8月には、亜希夫人と離婚にまで至っている。
その後、状況は変わり、15年に入ってバラエティ番組にも出演するようになった。この年11月には、ブログも始めている。16年1月11日には、名球会のイベントにも出席して、球界復帰の憶測まで出るほどになった。しかし、その一方で、情緒不安定な面も見せていた。
「球界に貢献して欲しかった」との声も出たが...
清原和博容疑者は、1月19日のブログで、手のひらのケガの画像をアップし、飲食店の男性客に腹を立て、灰皿を叩き割ったと打ち明けたのだ。この客は、笑いながら清原容疑者を3回も指差したといい、「完全に頭の中でブチキレる」「完全乱闘モード」などと怒りをぶつけていた。
もし清原容疑者が薬物を常用していたとすれば、他人が自分をバカにしているように思ってしまう幻覚作用が現れていたのだろうか。清原容疑者は、バラエティ番組でも、誰かの恨みつらみを買っていると訴えて、話題になっていた。
以前から疑惑があっただけに、ネット上では、「やっぱりな」「終わったな、清原・・・」といった厳しい指摘が出た。一方で、「何かしらの形で野球界に貢献して欲しかったのに...」「現役時代ファンだっただけに、ショックです」と今回の事態を残念がる声も相次いでいる。
過去に薬物疑惑が持たれた球界OBでも、復活を果たしたケースはある。阪神のエースとして活躍した江夏豊さん(67)だ。1993年に覚醒剤所持で逮捕され、実刑判決を受けたが、15年から阪神の2軍キャンプ臨時コーチに抜擢されている。とはいえ、逮捕から20年以上も後になってからのことだ。
薬物については、なかなか断ち切れないと指摘されており、清原容疑者は、巨人時代から薬物に手を出していたという未確認情報も一部で報じられている。とすると、本人が願っているとされる球界復帰も、かなり険しい道のりになる可能性がありそうだ。