100万円を1年間銀行預けても、利息はたった10円
一方、東京債券市場では2016年2月1日、国債の利回りが低下するとにらんだ投資家が国債を買い進めた結果、長期金利の指標となる満期10年の新発国債の利回りが前週末の終値より一時0.045ポイント低い0.050%を付け、過去最低を更新。前営業日の1月29日との2日間の下落幅は0.170ポイントに達した。
5年債も一時、前週末比0.030ポイント低いマイナス0.100%まで低下。20年債は一時0.740%を付けて2003年6月以来12年半ぶりに過去最低を更新した。
これを受けて、三井住友アセットマネジメントや大和証券投資信託委託などが、安全性の高い公社債で運用する投資信託MMF(マネー・マネジメント・ファンド)や価格変動のリスクが比較的小さい公社債で運用する投資信託「中期国債ファンド」などの販売を停止した。
短期国債を主な投資対象としているMMFは、顧客に売る商品として安定的な利回りの確保が難しくなったためだ。株式より安定した運用を目指していた個人投資家にとっては、MMFなどの販売停止で運用先に困る可能性が出てきた。
また、銀行は利ざやを確保するため、預金金利を引き下げた。横浜銀行は、預入期間の短い定期預金の金利を普通預金と同じ金利水準に、またインターネット専業のソニー銀行は普通預金の金利を年0.020%から年0.001%に大幅に引き下げた。年0.001%の金利では、10万円を1年間預けても、1円しか利息がつかないことになる。
こうした動きに他行も追随する見通しだが、ATMから預金を引き出すのに手数料(他行利用などで103円)を取られることを考えれば、タンス預金で十分だ。