マインドフルネス 極度の緊張状態でも平常心を保つ法 散歩や食事中、通勤電車で鍛えられる

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   マインドフルネスは、日本語に訳すと「気づくこと」「意識すること」という意味で、自分の体や気持ちの状態に「気づく力」を育む心のトレーニングだ。

   座禅の効力に注目した米国の精神科医が、1970年代にストレス解消やうつ病改善をはかる瞑想(めいそう)療法として開発したのが始まりだ。

  • 瞑想は心にも体にも効く
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ペンタゴンが注目した「スナイパーの呼吸法」

   座禅は、寺院や道場に行かなければならないが、マインドフルネスは場所を選ばない。最初は専門家の指導を受けた方がいいが、慣れれば自宅や職場、通勤電車の中、食事や散歩の最中でもできるのが特徴だ。

   手軽に集中力を高める効果があるため、米IT大手のグーグルやインテルが社員研修に取り入れ、米国防総省(ペンタゴン)が全世界320万人の米軍兵士と職員の訓練・研修に採用している。

   空軍将校出身のペンタゴン現役キャリアのカイゾン・コーテ氏が、2015年12月に出版した「ペンタゴン式 ハードワークでも折れない心のつくり方」の中で、いかにも米国式の合理的考え方からマインドフルネスの効用と方法を説明しているので、抜粋して紹介しよう。

「瞑想で一番重要なのは呼吸法だ。ペンタゴンには『呼吸を制する者は、人生を制す』という格言がある。極限状況下に置かれる米軍兵士に求められるのは、『スナイパー(狙撃手)の呼吸法』だ。呼吸で心を落ち着かせる習慣を身につければ、どんな危機、ストレスにも平常心で対応できる。スナイパーの呼吸法とは、心拍数を1分間に115~145回に安定させ、心身ともに最高のパフォーマンスを発揮できる状態に保つことだ」
「我々が推奨する瞑想法は実に単純だ。座禅を組む必要はない。塹壕の中でもオフィスの中でもいい。静かにゆっくりと呼吸を続けるのがポイント。肩を楽にし、姿勢を整え、目を軽く閉じ、鼻から4カウント息を吸う。その後4カウント息を止める。その後4カウントかけて口から息を吐き、吐き終わったら4カウント息を止める。ここまでが1クールだ。これを4~5回繰り返す」
「呼吸の間、『今、この瞬間に起こっていること』に意識を向ける。一番簡単なのは、『吸って、吐いて』という自分の呼吸のリズムにだけ集中すると、思考が休まっていく。現代人の息は浅すぎる。平均で1分間に12~16回だが、理想の呼吸は1分間に8~10回だ。時計で自分の呼吸を数えてみよう。まず1日に3分の瞑想から始めよう。ペンタゴンの現場では1日平均12分だ」

   日本の剣道にある「剣禅一如」という極意が、米軍にもあるようだ。

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