肥満人口が日本の10倍という「肥満大国」米国では、国を挙げて子どもの食育に取り組んでいる。
遊園地の先頭を切っているのがフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドだが、子どもたちが園内のレストランでヘルシーな食事を選ぶようになったという研究報告がまとまり、2016年1月、米栄養誌「JACR」に発表された。
ソーダとフライドポテトの代わりに水と野菜サラダ
ウォルト・ディズニー社では2006年から園内のレストランで、子ども用食事のサイドメニューに、従来のソーダとフライドポテトから低脂肪乳やミネラル水、果物、野菜サラダなど健康食に置き換える取り組みを行なっている。ただし、客はソーダとフライドポテトを選ぶこともできる。
研究を発表したのは米コロラド大のチームだ。園内のレストラン145軒を対象に、2010~2012年の子ども用食事の売り上げを分析した。その結果、客の48%が健康的なメニューを受け入れ、3分の2が牛乳や水を飲んでいた。食事全体でカロリーは21%減、脂肪は44%減、塩分は43%減に抑えられた。
同大のジョン・ピータース教授は「この結果は、レストランのメニューの改善が、企業と客の双方にとって利益になることを示しています。ぜひ、ほかのレジャーランドにも広げたいものです」と語っている。
日本の遊園地や映画館も見習ってほしいものだ。