「みなぎる活力!」「ギンギンよみがえる!」。洋の東西を問わず、コレを食べると効くと言い伝えられる物は多いが、医学的に検証された研究は少ない。
そんななか、ベリー類や柑橘類に含まれるフラボノイドが男性の機能回復に役立つという研究が、米の医学誌「AJCN」の2016年1月13日号に発表された。
果物プラス運動でEDリスクは24%も減る
論文を発表したのは、英イースト・アングリア大学のイーデン・キャシディー教授らのチーム。フラボノイドは果物や野菜に含まれている色素で、強い抗酸化作用を持ち、細胞の老化を進める活性酸素を除去する働きがある。
研究チームは、1986年以降、定期的な健康調査に協力してきた約2万5000人の中高年男性を対象に、フラボノイドの摂取量と性生活の関連を調べた。調査は2000年、2004年、2008年と4年ごとに「セックスをするのに十分な勃起力があるか」「それを維持できているか」などを回答してもらい、フラボノイドの豊富な食品類の摂取量と比較した。
その結果、フラボノイドを含む果物の総摂取量の多い人は、少ない人に比べEDのリスクが14%低かった。果物の摂取に加え、運動習慣のある人はEDリスクが21%も低くなった。また、フラボノイドの恩恵は70歳まで有効だった。
個別のフラボノイドの「効能」を分析すると、特に3種類がEDの予防に最も大きい効果があることがわかった。「アントシアニン」「フラバノン」「フラボン」である。アントシアニンはブルーベリー、ブラックベリー、チェリー、赤ワインなどに含まれ、美肌効果や目にいいといわれてきた。フラバノンとフラボンはミカンなどの柑橘類に多く含まれ、育毛効果があるとされてきた。