高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
財務省の言う数字 ちょっと注意してみたほうがいい

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修正された負担額・負担軽減額

   また、国会でも増税での数字の妥当性に疑問が出ている。財務省は、当初、1人あたりの消費増税による負担増は1万4000円、同じく1人あたりの軽減税率による負担軽減額は4800円であるとしてきた。

   ところが、共産党から、1人あたり4800円に人口をかけると6000億円で、軽減税率による減収額1兆円より少ないと突っ込まれてしまった。

   結局、1人あたりの消費増税による負担増は2万7000円、同じく1人あたりの軽減税率による負担軽減額は8000円と修正せざるをえなくなった。

   当初の消費増税による負担増1万4000円は総務省の家計調査、修正後の2万7000円は財務省の消費税収からの推計だが、根拠となる統計をそろえたというのが表向きの理由だ。

   ただし、実態は、財務省は自分に都合のいい統計を恣意的につかっていた、二枚舌がばれたのだ。実際、昨年、経済財政諮問会議で、財務省は総務省の家計調査をやり玉に挙げて、消費が低めに出ていると文句を言っている。その一方で、当初は家計調査のデータを使って消費税負担は1万4000円との数字を言って、消費税負担を少なくしたわけだ。ところが、実際の負担は2万7000円だった。

   財務省の言う数字はちょっと注意してみたほうがいい。特に、数字に弱いマスコミはなおさらだ。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「図解ピケティ入門」(あさ出版)、「戦後経済史は嘘ばかり」 (PHP新書) など。


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