「大地動乱の時代」(石橋克彦)だ。大きな時間の流れを「本」にたとえるなら、21年前(1995年1月17日午前5時46分52秒)の阪神・淡路大震災のページの次に、5年前(2011年3月11日午後2時46分18秒)の東日本大震災が記され、さらに次のページにはやがてくる大震災が書き込まれている(今はまだ、場所と被害規模があぶりだされていないだけだ)
「防災とボランティア週間」(1月15~21日)に入った。阪神・淡路大震災がおきた1月17日(きのう)は「防災とボランティアの日」。平消防署はきのう、いわき駅前タクシープール広場で「防災大作戦2016」を実施した。
管内の自主防災会にイベント案内の手紙がきた。行政区の役員がそのまま自主防災会の役員をしている。区長は会長。役員に諮った結果、代表してひとり出かけた。
案内状には「自主防災会員の受付の協力を」とあった。近隣の会長(つまり区長)も「受付の手伝いをしないといけない」と思って参加した。「受付の協力」とはしかし、自主防災会から何人参加したか、その申告をすることにすぎなかった。人間の「誤読する力」を計算したうえでの文章か、単に不正確な表現か、ひととき会長仲間で盛り上がった。
広場には消防車や起震車が並び、テントが張られた。親子型イベントと銘打っているだけに、①火を消せ!水消火器的当て体験=写真②瓦礫(がれき)の下から助け出せ!ジャッキアップ体験――など、10のコーナーが用意された。
起震車は「揺れる部屋で身を守れ!巨大地震」のための"舞台"だろう。私らは実地に体験しているから起震車に乗るつもりはない。一方で、東日本大震災から5年もたっているのだから3・11を知らない子どももいる――「次のページ」の備えが必要なわけだ。
ついでながら、21年前の大災害は、地震名「兵庫県南部地震」、震災名「阪神・淡路大震災」だ。NHKは「阪神・淡路大震災」だが、新聞は地元の神戸新聞を除いて「阪神大震災」と表記する。なぜ「淡路」を省略するのか、理由を知らない人間は、メディアの「本社」と「現場」の距離が呼称に反映しているのではないかと邪推する。要は東京中心主義。
それはともかく、大災害発生直後には、「公助」はあてにならない。「自助」「共助」が重要と喧伝されてきた。福祉の面では地域包括ケアシステムがいわれ、「自助」と「共助」の間に「互助」が加わった。どんどん隣組や行政区、地域社会の仕事が増えていく。
(タカじい)
タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
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