レストランでデザートや飲み物を注文する時は、店のウエイトレス(ウエイターも)をあまり見ない方がいいかもしれない。太ったウエイトレスに応対されると、客は知らず知らずに幸せな気分になり、食べ過ぎてしまうからだ。
ウエイトレスの肥満度に応じ、客の注文量が増えるという研究を米コーネル大のチームがまとめ、米心理学誌「Environment&Behavior(環境と行動)」(電子版)2016年1月号に発表した。
やせた客まで食欲がモリモリわいてしまう
研究では、60店のレストランに協力してもらい、夕食を食べに来た497人の客を対象に、デザートとアルコールドリンクの注文量を比較した。店は、ダイニングバーやハンバーガーショップなどカジュアルなレストランばかりで、事前にウエイトレスの肥満度を測るために体格指数(BMI)を調べた。
その結果、太ったウエイトレスに注文を聞かれた場合、やせたウエイトレスの場合に比べ、デザートを頼む客が4倍以上も多く、アルコールドリンクの注文量も17.7%多いことがわかった。
この結果について、ティム・ドエリング教授は「減量するためにレストランに行く人はいませんから、客は欲求に応じて飲んだり食べたりします。その場合、店の雰囲気は非常に重要です。太ったウエイトレスは、食事の量を減らすことを忘れさせ、気持ちをリラックスさせてくれるのです」と分析する。
そして、こう付け加えた。
「面白いことに、体の大きなウエイトレスは、やせている客にさえ影響を与えて注文量を増やしています。もし、レストランで食べ過ぎたくなければ、店内では座る場所を選ぶこと、そして店に入る前に、あらかじめデザートを食べるか食べないか、もし食べるならその量を決めておくことです」