アイドルグループ「SMAP」の分裂、解散騒動が世間の注目を集める中、週刊誌以上に「スクープ」を飛ばしまくるニュースサイトがひそかに話題となっている。
その名も「Buzz Plus News」(バズプラスニュース)。記事の真偽は不明ながら、現実への影響力も発揮する。その正体は何なのか。
「BPO審議入り」のニュースでサイトがパンク
SMAPの分裂、解散騒動が最初に報じられて、およそ2週間。テレビから個人ブログに至るまで、さまざまな媒体がさまざまな切り口でこの一件を記事にしてきた。
そんな中、バズプラスニュースは、どこのメディアも伝えないネタを取り扱っている。
スポーツ各紙が解散スクープを大々的に飛ばした2016年1月13日の翌日には「解散撤回を前提にしたフジテレビでの『復活番組』放送決定」を最初に報じた。つまり、騒動は巧妙に仕組まれたイベントで、すべては「台本通りだった」というわけだ。
「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)でメンバー5人の謝罪会見が生放送された18日以降、ジャーナリスト・津田大介さんもツイッターで「俄然真実味を帯びてきたな......」と、この記事について感想を述べるなど、真偽不明ながら記事はにわかに注目されている。
謝罪会見後は、19日朝に芸能関係者の声として「謝罪会見が『パワハラ的』だとBPO(放送倫理番組向上機構)で問題視され、審議入りになる可能性」を伝えた。
こうしたネタは裏が取りづらいためか、他のメディアも後追いせず、まさにバズプラスニュースの「独走状態」となり、16年1月19日には「BPO審議入り」の記事を読んだネットユーザーが殺到したためか、BPOの公式サイトが一時閲覧できなくなる事態ともなった(編注:BPOのアクセス障害自体は他のメディアも報じる)。
20日には、謝罪会見でスラスラと淀みなく発言した草なぎ剛さんが「実はアンドロイドだった」と「暴露」する記事を配信した。
一方で、「木村さんはSMAPの解散を阻止するために何度もタイムリープしており、時間感覚がおかしくなっている」というネットの噂を、物理学者への取材を基に「デマ」と報じて打ち消す役割も果たした。
編集部からは「返答なし」
SMAP報道で存在感を増してきたバズプラスニュース。一体どのようなメディアなのか。過去の公開記事をさかのぼる限り、2014年3月頃から記事を配信し始めたようだ。米大手紙「ニューヨーク・タイムズ」のロゴに似たデザインのサイトロゴがよく映える白地のトップページに、アニメ、芸能、時事問題、アート、スポーツ、グルメ、ライフスタイル、地域ネタとあらゆるジャンルの記事が並ぶ。
「ガジェット通信」やサイバーエージェントの運営する「Spotlight(スポットライト)」、DMMの運営する「Daily News Online(デイリーニュースオンライン)」など複数のネットメディアに記事を配信する総合ニュースサイトだ。
「汗だく男子は女子にモテモテ」や「初詣で小銭のお賽銭を入れる貧乏くさい男子は非常識」など真偽はともかく、思わず気になってしまうネタのチョイスが心憎い。
一体どのような編集体制を敷き、どこでネタを拾うのか。サイトを見ても運営会社名は明記されていないが、同業者として「個人的にも」気になったため1月26日、編集部にコンタクトを取った。しかし、同日18時までに返答はなかった。