ジャニーズ事務所をなかなか批判できない雰囲気がテレビ局にあるのではと思わせる出来事が起きた。認知科学者の苫米地英人さん(56)が、コメンテーター出演を自粛した事情と背景をブログで明かして、波紋を呼んでいる。
苫米地英人さんは、TOKYO MXテレビのワイドショー番組「バラいろダンディ」で木曜日のレギュラーコメンテーターをしている。しかし、2016年1月21日は、SMAP解散騒動が大きな話題を集める中でも出演しなかった。
「出演しない方が社会的意義があると判断」
その理由について、苫米地さんは、この日の番組直前に複雑な事情をブログで打ち明けた。
それによると、苫米地さんは、騒動について説明するためのフリップ案を番組前に用意していた。フリップには、ジャニーズ事務所や芸能界について痛烈に批判する内容がつづられていた。
ところが、苫米地さんは、しばらく経ってから、次のような考えに至った。
「MXテレビも経営判断として大手広告代理店経由でCMを番組中に流している。スポンサー企業に迷惑をかけるべきではない」
そして、この日の番組には出ないことを決め、コメンテーター出演を見合わせた。苫米地さんは、「出演しない方が社会的意義があると判断すれば出演しない。今日はそういう判断をした」と説明し、代わって、番組で話す予定だったとしたことをブログで書いている。
ブログでは、フリップが5つあったことを明かし、1つ目として、「芸能事務所は憲法18条『奴隷の禁止』違反を早急に改めて、独立すればメディアから締め出すという人権侵害をやめるべき。ジャニーズ事務所はその見本となれ」と掲げた。憲法18条では、何人も「奴隷的拘束」や刑罰以外の「苦役」をさせられることはないとうたっている。