日本に2016年1月23日の夜から25日にかけて約40年ぶりという猛烈な寒気が流れ込み、特に西日本では「災害レベル」の大雪に見舞われる可能性があるという。
この強い寒気、沖縄地方にも低気圧に引っ張られる形で入り込み、「過去最強クラス」になるらしい。そのため40年ぶりに雪が降るのではないか、といった報道も出て、地元の掲示板には降雪を期待する書き込みもあるほどだ。
「みぞれ」が降ったのは1977年2月の一度きり
ウェザーニュースの16年1月21日の発表では、雪を降らせる目安である上空1500メートル付近のマイナス6℃の寒気が1月24日の午後から夜にかけて種子島や奄美大島の南まで流れ込むと予想している。1957年に統計を開始してから、奄美大島・名瀬でマイナス6℃以下の寒気が流れ込んだのはわずか3回しかなく、名瀬上空でマイナス6.2℃を記録した1977年2月16日の翌日には久米島でみぞれを観測した。今回の寒気はその時に匹敵するもので「40年に1度の強さ」としている。
地元紙の琉球日報、沖縄タイムスともに雪に関する記事を16年1月22日付けに掲載した。沖縄タイムスは電子版に「沖縄に雪?予報官『あり得る』」という見出しを掲げ、「県内でも雪が降る可能性がある」という沖縄気象台の予報官のコメントを掲載した。沖縄地方での雪は「みぞれ」が確認された久米島での1度だけで、当時の久米島の最低気温は6.7℃。仮に那覇市内であられ(氷の固まり)が降れば1987年以来29年ぶりだ、と書いている。
こうした報道に地元民は、
「今度こそ沖縄にみぞれじゃない降雪を期待だな」
「石垣の山では雪が降るかも」
「雪とか本気ですかね...?エアコンで暖房全開するしか」
「頑張ってヤンバル行ったら雪見れるかな」
などとネットの「まちBBS沖縄掲示板」に書き込んでいる。
最低気温も海水温度も条件を満たしていない
果たして本当に沖縄に雪が降る可能性はあるのか。J-CASTニュースが沖縄気象台に取材したところ、一般的に降雪となる目安は上空1500メートル付近にマイナス6℃の寒気が流れ、地上の気温が3℃以下、海水温が20℃以下なのだそうだ。そして沖縄に雪が降るのではと言われている24日から25日にかけては、最低気温は8℃、水温は23℃を予想している。
「マスコミの方々は寒気を基準に降雪を考えているようですが、気温も水温も基準を上回っているため、雪が降る可能性は極めて低い、というのが現実です」
残念な結果に終わる可能性が強いということだが...。