【健康カプセル!ゲンキの時間】(TBS系)2016年1月10日放送
「専門医が教える8時間ダイエット」
「好きなものを好きなだけ食べていい!」「間食もお酒もオッケー!」「極めつけは、特別な運動は必要なし!」。そんな夢のようなダイエットがある。名付けて「8時間ダイエット」。年末年始の暴飲暴食で正月太りの向きには願ってもない方法だが、ホントに効果があるのか、番組で実験した。
MCの渡辺満里奈は「何もしなくていいなんて、あり得ないでしょ!」。MCの三宅裕司も「絶対、何か売り付けられるね」。
酒飲んでもオッケー、でも食事の時に
体内脂肪には、食べ過ぎなどで急についた「つきたて脂肪」と、それを長期間放置して固まった「ちりつも脂肪」の2種類がある。「ちりつも脂肪」は、脂肪に繊維が絡み合って落ちにくくなるが、「つきたて脂肪」はまだ軟らかく水分たっぷりなので落としやすい。だから「食べ過ぎたな」と思ったらすぐにダイエットするのが肝心なのだ。
番組では、お笑いトリオ「我が家」の杉山裕之が、主婦2人と「8時間ダイエット」に挑戦した。指導をするのは肥満専門外来「よみせ通り診療所」の佐藤圭子所長。杉山が佐藤医師に尋ねる。
杉山「1日に2000キロカロリー以内とか、ホントにカロリー制限がないんですか? おやつを食べてもお酒を飲んでもかまわないの?」
佐藤医師「はい。でも、お酒は食事の時に飲んでくださいネ」
8時間以内に全部の食事をすませるだけで魔法の効果
「8時間ダイエット」の方法はこうだ。1日24時間のうち8時間の範囲でだけ食事をとり、それ以外の16時間は食事をとらずに水分補給だけですませる。8時間以内なら何を何回食べてもいい。だが、実際は8時間以内で食事を済ませるので、朝食か夕食のどちらかをとらない場合が多い。
たとえば、最初の食事が午前7時なら、8時間後の午後3時までに3食を済ませる。同じ要領で最初が正午なら、最後の食事のリミットは午後8時になる。水分は1日に2リットル以上と多めにとる。特に何も食べない16時間は、糖分やカロリーのない水やお茶をこまめにとるよう心がける。
「食事を8時間以内におさめる」と「積極的な水分摂取」の2点を守ることが重要なのだ。
杉山「どうして16時間、何も食べてはいけないのでしょうか?」
佐藤医師「消化しないですむ時間が16時間あると、素晴らしいことが起こります。体内ではタンパク質から、消化を行う『消化酵素』と、代謝を行う『代謝酵素』の両方が作られます。しかし、偏りがあって、食べ物が胃腸に残っている間は、消化を優先させるために『消化酵素』ばかり作られ、代謝がおろそかになります。胃腸が空っぽの状態を作ると、『代謝酵素』が優先的に作られて、脂肪をどんどん燃焼させてくれるのです」
つまり、脂肪を燃やす代謝酵素をどんどん作るために16時間の空腹時間が必要なのだ。
ダイエット開始2日目から体に異変が起こる
ダイエットに挑戦する杉山(38歳)と主婦のHさん(63歳)、Kさん(39歳)は、事前に体重とウエスト周り、血圧、血液検査、内臓脂肪量が測られた。ダイエット開始の初日。杉山の朝食はコンビニのおにぎり2個。昼はこってりラーメン。夜は後輩芸人と飲み会。つまみの揚げ物もパクパク。ハイボールを3杯飲んだところで8時間のタイムリミット。杉山、「もっと飲みたいよ~」と駄々をこねたが、芸人たちから止められる。
2日目に入ると、早くも杉山の体調に異変が。朝食の蕎麦とクリームシチューをガツガツ食べる。前日のおにぎりは嫌々腹に詰め込んでいたのだが。
杉山「16時間何も食べなかったから、腹が減って何を食べても美味しい!」
そして1週間が過ぎた。3人の計測の結果は、驚きの効果だった。
(1)杉山:体重82.5キロ→80.7キロ(-1.8キロ)。ウエスト周り103センチ→98センチ(-5センチ)。内臓脂肪量13%減
(2)Hさん:体重59.5キロ→57.6キロ(-1.9キロ)。ウエスト周り98センチ→96センチ(-2センチ)。内臓脂肪量20%減
(3)Kさん:体重60.0キロ→58.7キロ(-1.3キロ)。ウエスト周り77センチ→72センチ(-5センチ)。内臓脂肪量19%減。
Hさんは、悩みだった脇腹のはみ出しお肉も引っ込んだ。アシスタントの英玲奈がため息をつく。「すごい。キレイなウエスト」
体重だけではない。たとえば杉山の場合、血圧の最高値が153→136、最低値が101→97と、高血圧が改善したばかりか、肝臓機能の数値も向上した。
渡辺満里奈「どうして肝機能まで向上するのですか?」
佐藤医師「杉山さんの場合、お酒の飲み過ぎが健康を悪くしていましたが、飲食を8時間以内に制限したことで、お酒の量を抑えられました」
繊維が多い野菜や海草、キノコ類を食べるとさらに効果
ここで、「8時間ダイエット」をさらに効果的に行うポイントを紹介しよう。
(1)お腹がすいてもドカ食い、早食いは禁物。ゆっくり咀嚼(そしゃく)し、ひと口で30回噛むと、満腹中枢が刺激される。
(2)繊維が多い野菜や海草、キノコ類をたっぷり食べるとお腹がすかない。
(3)1日に7時間以上たっぷり眠ると、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が分泌される。また、成長ホルモンが分泌されて、寝ている最中に300キロカロリー分も脂肪を分解してくれる。
(4)自分の仕事などの都合に合わせて食事可能な8時間を設定する。食事の回数もその範囲内で自由。
三宅「これ、効果もすごいけど、美味しく感じられるようになる点が意外な発見ですね。ふだんからやっておくといいですか?」
佐藤医師「1か月に1回(1週間)くらいやるといいですネ。『つきたて脂肪』だけでなく『ちりつも脂肪』にも効果がありますよ」
ここで、番組恒例の締めの一句。
「つきたては エイッと(8)落とそう 8時間」