バブル期並みに減った2015年「企業倒産」の裏側 「中国がらみ」だけは急増する不気味さ

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政府は「アベノミクス効果」PRするが、先行きは不透明

   一方で気になるのは、中国景気の減速に伴う「チャイナリスク倒産」だ。2015年9月には第一中央汽船が貨物の需要減少で1196億円の負債を抱えて倒産するなどした結果、チャイナリスク倒産は76件と前年の46件から1.6倍に増えた。中でも、中国国内の人件費の上昇や為替変動で輸入費用が増大し、コスト高で倒産したケース(55件)が目立つ。東京商工リサーチは「新興国経済の減速懸念や中東問題も無視できない」と、先行きの不透明感を指摘している。

   円安効果と原油安で、2015年の企業収益は過去最高水準となり、倒産件数の減少と並び完全失業率も3%台前半で推移するなど、日本経済は好データを挙げている。倒産件数の減少と失業率の低下を、政府はアベノミクス効果とPRするが、企業の史上最高益は「円安と原油安の下駄を履いた結果」(エコノミスト)との指摘もある。賃金が上がらず、物価だけ上昇する円安は「個人消費にはむしろマイナス」との懐疑論も高まっている。

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