「電源構成」の開示義務が見送られた
他方、料金の引き下げもさることながら、新電力がどこから電力を調達したかという「電源構成」を明らかにするかも注目ポイントだ。ドイツでは消費者へ電気料金を請求する際、原発、石炭火力、天然ガス火力、再生可能エネルギーなどの電源構成を表示する義務があるが、日本では見送られた。
新電力が「再生可能エネルギー100%」などをセールスポイントにする場合は、電源構成を開示する必要があるが、業界では「再エネでは当面は電気料金が高くなり、供給量も限られるのではないか」とみられている。また、政府の固定価格買取制度(FIT)で買い取られた再エネは「クリーンエネルギー」「自然エネルギー」などと表示して販売することができず、消費者にわかりにくい仕組みになっている。ソフトバンクは「再エネに由来する電力を希望するお客さま向けに『FITでんきプラン(再生可能エネルギー)』を今後、提供する」という。消費者が料金プランだけでなく、電源の選択がわかりやすい開示を求める声が今後は高まりそうだ。