単身など使用料少ない世帯は恩恵少ない
新電力の台風の目となりそうなのは全国展開を目指すソフトバンクで、東電と業務提携しており、4月1日から東電と関西電力、中部電力の3エリアで電力小売りをスタートする。「ソフトバンクでんき」の商品名で、申し込み受付を1月28日スタート。「順次、全国へ拡大する」という。
例示したモデルケースでは、一戸建てに住む3人家族、従量電灯B(40アンペア)で月間の電力使用量が392KWhとして、電気料金の割引とTポイント付与数を合計して、現在の東電との契約に比べ年間約8920円、関西電力と比べて約1万5500円、中部電力と比べて約9110円安いとしている。いずれもソフトバンクの携帯電話か固定通信サービスの契約が必要になる。
一方、東電は、ソフトバンクとの提携とは別に、電力の使用量が多い世帯を意識した新プランを発表。3月末までに2年契約を結ぶと現行料金に比べて、最大で約5%、2年で約2万9300円安くなるという。ただし、電力使用量が標準的なモデルケースでは年間約1000円(約1%)の割引にとどまるという。
新電力、大手電力とも、電力の使用量が多い世帯ほど割引となるのが特徴で、単身世帯など使用料が少ないと割引率も低いので、注意が必要だ。
また、JXや東燃などはインターネットで電気料金を比較できるシミュレーションを行っている。ソフトバンクも1月28日に比較シミュレーションコーナーを専用サイトに開設するなど、ネットを通じた料金比較も各社に登場しており、競争に拍車をかけそうだ。