手をつねるのは「自傷行為」、葛藤はそれほど大きかった
もう1つ、切ない理由が考えられるそうだ。緊張と不安のあまり、「お母さん、助けて!」とすがる心理が働いたのかもしれない。自分で自分の手や体をさわる行為を「自己親密行動」という。幼児が不安な気持ちの時に母親に手を握ってもらったり、抱いてもらったりすると安心するのと同じだ。そばに母親がいないから、自分で自分の手を握って慰めているわけだ。
「中居君は、もしお母さんがそばにいたら、きっと手を握りたかったでしょうね」と、渋谷教授は推測する。
ところで、自分の手をつねっていたのはどんな気持ちからだろうか。渋谷教授はこう説明した。
「手をつねったり、指を噛んだりすることは、広い意味でリストカットなどと同様の自傷行為にあたります。ものすごいストレスを感じていたのでしょう」
いずれにしろ、中居さんの葛藤はそれほど大きかったのだ。
ニュースでSMAPの会見を見た渋谷教授は、最後にこうアドバイスをした。
「5人とも立派な顔立ちの人気者ばかりです。思わず彼らの表情に見入って騙されてしまいますが、誰がどんな気持ちで喋っているか、その本心を知りたかったら、目をつむって彼らの話を聴くことをおススメします」
本心は、指先だけではなく、声の微妙な震えにも出るからだ。