2015年9月のダイエット開始から3か月余り、木村清志さん(仮名、以下キヨシさん)に山場が訪れた。1年に1度の健康診断だ。
特に、「メタボ検診」での腹囲測定が気になる。去年は基準を大幅に上回ったが、ダイエットの成果を見せられるか。
1年前は95センチ、なぜか「おっ」と声が
メタボ検診(特定健康診査)は2008年、生活習慣病予防を目的として始まった。脂質、血糖、肝機能検査のための血液検査をはじめ血圧測定、検尿、身体測定と多くの項目がある。検診の結果、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善により予防が期待できる人に対して保健指導が入る。
身体測定の項目のひとつが、腹囲の測定だ。男性は85センチ、女性は90センチが「関門」となる。この数値を超えた人の中で、脂質や血糖、血圧の検査で異常が2つ以上見つかると「メタボ認定」されてしまう。
そもそも体格の良いキヨシさん。ダイエット開始時の2015年9月時点では、身長178センチ、体重83.5キロだった。
編集部「2014年の腹囲測定では、結果はどうでしたか」
キヨシさん「95センチ......。看護師さんが、なぜか『おっ』と声を上げていたのを覚えています」
編集部「あと5センチで1メートルか、そう考えると相当の太さですね」
今年はどうなっただろう。当日、看護師に促されてお腹を出し、巻き尺で測定されたキヨシさん。今回は妙な声も聞こえない。だが、通常ならすぐに結果が伝えられるはずか、なぜか看護師はメモを取り始めたのだ。
不思議に思ったが、ふいに「歓喜の瞬間」が訪れた。
キヨシさん「看護師さんに『よくがんばりましたね』って言われたんですよ。『がんばりましたね』って」
キヨシさん、大事なことだから2度繰り返したのだろうか。腹囲は90センチで、1年前より5センチ縮まった。さらに体重は前回健診から7キロ減の77.8キロとこちらも満足。正月太りで一時は80キロ台にリバウンドしたが、見事に軌道修正できた。妻にも報告し、一緒に喜んでくれたと満面の笑顔だ。