セブン-イレブン・ジャパンは2016年1月19日、レジ横の専用ケースで販売しているドーナツを一新する。製造方法や材料を大幅に見直し、従来よりも高品質なドーナツの提供を目指す。
ここ数年でコンビニでのドーナツ販売市場は急拡大しているが、ローソンが参入するなどして競争が激化。さらに市場を拡大するには、てこ入れが必要だと判断した。
「17年2月期に600億円」、現時点では達成怪しい
セブン-イレブンは14年10月から関西地区でドーナツの展開をスタート。15年夏には国内のほぼ全店舗にあたる約1万7000店に専用ケースが設置された。ローソンも15年4月に本格参入し、15年8月には8000店舗に専用ケースを接地した。
親会社のセブン&アイ・ホールディングスが15年1月に開いた決算説明会では、16年2月期(15年3月~16年2月)に4億個(400億円)、17年2月期(16年3月~17年2月)に6億個(600億円)の販売を目標に掲げていた。だが、調査会社の市場予測を見る限りでは、現時点では17年2月期の目標達成は厳しい情勢だ。
調査会社の富士総研の調べ(スイーツ市場のチャネル別需要分析調査2015)によると、コンビニのカウンター横で販売される持ち帰りドーナツの市場規模は、14年は28億円だった。15年はセブン-イレブンの参入で406億円に急拡大する見通しだが、16年には510億円にとどまると予測している。この510億円という試算は、少なくともセブン-イレブンとローソンの両者を含んでいることを考えると、セブン単独の「17年2月期に600億円」という目標とは距離がある。こういったことを踏まえて、今回のテコ入れに踏み切ったようだ。