スポーツ新聞を見て、驚いた人もあるかもしれない。
2016年1月16日、トップを飾るのは引き続きSMAPの解散・分裂騒動だが、その見出しは各紙そろって、ジャニーズ事務所残留を決めているとされる木村拓哉さんを持ち上げ、退所派とされる中居正広さんらや女性チーフマネジャーに否定的な内容だった。
ラジオでの初言及とタイミングぴったり
「キムタク存続直訴」(スポーツニッポン)
「SMAP存続前進」(スポーツ報知)
「中居よ キムタクに土下座しろ」(サンケイスポーツ)
「渦中の女性マネ雲隠れ SMAP放置」(日刊スポーツ)
17日付のスポーツ紙はそれぞれこうした大見出しを打って、解散問題の「前進」を報じた。ディテールに違いはあるものの、いずれもその内容は、
「『マネジャーに追随し行き場を失った』(スポニチ)4人は後悔しており、仕事にも悪影響が出ている。中居さんらは謝罪を模索。一方の木村さんはファンのためにも、解散回避に向けて奔走している」
という筋書きである。
特にスポーツニッポンは、木村さんがジャニー喜多川社長やメリー喜多川副社長に電話で直接、グループの解散回避を求めたことを大きく伝えている。3人以外知り得ないはずの話の内容も、かなり詳しい。
中居の発言誰がばらまいている?
対して中居さんをめぐる報道は、かなりネガティブなものだ。サンケイスポーツが報じたのは、「業界の大物関係者」に泣きついたものの「木村さんに土下座しろ」と説教された、木村さんに電話したものの相手にしてもらえない、といった近況だ。
中居さんにはこれに限らず、騒動の表面化以来、「事務所残留に心変わりした」「親しい友人に後悔メールを送っている」などといった情報が、匿名の関係者から次々とリークされている。「そんなこと、バレるわけないでしょ? (中居さん)本人が言わん限り......」(15日の「バイキング」(フジテレビ系)で)と、交流のある雨上がり決死隊の宮迫博之さんがいぶかるほどだ。
奇しくも15日夜には木村さんはラジオで問題に初言及、ファンに「信じてついてきてください」と語ったばかり(収録は14日)。これとタイミングを合わせるように書き立てられた、木村さんの「男気」報道と、中居さんの「土下座」報道。二枚目の木村さんがグループの危機を救う、という少々ドラマめいた展開に、ネット上では、「キムタクを英雄に祭り上げての大団円って筋書きかな?」と、なんらかの作為を憶測する人もいる。
芸能評論家の肥留間正明さんは一連の報道を、「中居さんら、女性マネジャー側をつぶす方向に流れが向かっている」とした上で、
「勝つのは、やはり発信能力がある方。ジャニーズにはシンパの記者がいるのに対し、この状況ではマネジャーも中居さんら4人は声を上げにくい」
と、両者の「戦力差」を指摘する。
今後の展開は結局「4人次第」
ジャニーズ事務所は、今後どのようなシナリオを用意しているのだろうか。「難しい」としつつも、肥留間さんはやはり、「木村さんが間に入ってジャニーズに戻る」という方向を目指しているのではないかと予想する。
「もっとも、後は4人の胸の中にかかっていますね。場合によってはさまざまな展開が考えられる。いずれにせよ、ファンのことを考えればSMAPというグループをつぶしてはいけない。どういう形になるにせよ、中居さんら4人がしっかりと意志を貫くことが大切になってくると思います」