幼い子どもが、自分の指の爪をかじる癖。あなたが親だったら、注意してやめさせるだろうか。
なかには、成長した後もこの癖が抜けない人もいる。カナダの研究者によると、大人になってからの爪かみには性格的な特色がみられるようだ。
徳川家康も癖が治らなかった
日本皮膚科学会のウェブサイトによると、爪をかむ癖は3歳以降に見られ、頻度は小学生、中学生、高校生と成長するにつれて増すという。さらに、こんな記述があった。
「徳川家康も爪かみ癖が治らなかったと言われています」
ベネッセのウェブサイト「教育情報サイトヘッドライン」は2015年10月30日付で、小児科医の山根知英子氏による子どもの爪かみ対処法を掲載した。子どもの場合、爪をかむのは不安や緊張、ストレスの現れで、その行為により「自分の気持ちが、それ以上にならないように抑えている場合もある」という。10歳ごろに一番多く見られるそうだ。
親としては気になるかもしれないが、無理にやめさせると、爪かみ以外の行動をとることがあるため、あまりひどくなければ叱るのではなくさりげなく注意すればよいという。ただし、爪がボロボロになるほど激しい場合は心理的な治療が必要で、専門医への相談を勧めている。
短気でイライラしがちな人ほど癖が出やすい
大人になっても爪かみを続けている人について、「ハフィントンポスト」(日本語版)の2015年3月20日付記事が興味深い研究結果を紹介している。
カナダ・モントリオール大学精神科のキーロン・オコナー博士の研究チームは、普段、短気でイライラしがちな人ほど、肌を引っかいたり爪をかんだり、まつ毛を抜いたりといった行為を繰り返しがちだと指摘。その根本の原因が、性格的に「完璧主義」な点にあるのではないかと考えているという。実験から、爪かみのような癖を持つ人はフラストレーションやストレスを感じる場面で、そうした行為がより多く見られたそうだ。
研究グループによると、時々爪をかむ程度なら心配する必要はないが、あまりにひどい場合は精神科の治療を受けた方がよいとしている。