年明け1800円下落の「底なし株安」 「ハイイールド債」が引き起こすリーマンショックの恐怖

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米国シェールオイル企業の借金返済が困難に

   本来、原油安はガソリン価格や電気代などの値下がりを通じて、企業の業績や個人消費を押し上げる要因となる。その半面、石油元請けをはじめ、企業収益を圧迫して株価下落につながる恐れがある。

   そうした中で、最近ささやかれているのが原油などの資源プロジェクトの資金調達のために発行された「ハイイールド債」といわれる債券の暴落だ。かつてのリーマンショックでは、住宅ローン債権を証券化した「サブプライムローン」の暴落がきっかけだったが、その二の舞になるというのだ。

   ハイイールド債とは、利回りの高い債券のこと。現在、米国では「シェール革命」で2000社とも、3000社ともいわれるシェール関連企業があるという。それらの企業は、これまでの金融緩和による低金利で、大量の債券を発行(借金)して掘削プロジェクトを進めてきた。

   ニッセイ基礎研究所・金融研究部のチーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏は「原油がだぶついているわけですから、シュールオイルの需要も増えません。掘削したシェールオイルを売って借金を返済する当初の計画が危うくなり、結果的に借金の返済負担だけが残るわけです」と説明する。

   さらに、「米国ではそういった(借金漬け)企業は少なくありません。一部では3月末に期限を迎える債券の借り換えができなくなり、資金繰りに窮する企業が出てくると聞いています」と、危惧する。

   米国は2015年12月に利上げに踏み切ったが、16年3月には追加利上げの観測もある。追加利上げとなれば、借金の返済負担はますます増える。すでに米株式市場ではシェール関連株が値下がりして、ダウ平均株価を押し下げてもいる。

   井出氏は、「信用収縮につながるようであれば、リーマンショックと同じような事態に陥る可能性はあります」という。

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