SMAPの解散危機報道は海外でも驚きをもって受け止められた。
特にファンが多い韓国や台湾といった近隣諸国・地域からは、「SMAPのドラマを見て育った世代から失望の声が上がった」といった声が相次いでいる。海外の報道では事実関係は日本のスポーツ紙をベースにしているが、韓国メディアでは、韓国と関係が深かったメンバーのエピソードを重点的に報じるなど、SMAPとの関わりによって「お国柄」が現れている。
韓国メディアは「チョナン・カン」のエピソードに注目
多くの国外の報道では、2015年1月13日に「解散危機」を特報したスポーツ2紙や、危機の引き金を引いたとされるジャニーズ事務所内の確執を報じた「週刊文春」などを引用しながら背景を詳しく伝えている。
草なぎ剛さん(41)は韓国語が得意で、韓国では「チョナン・カン」としても知られている。韓国メディアの多くは、この点に着目した。大手紙の東亜日報は、「草なぎさんが俳優の宋康昊(ソン・ガンホ)さんに言及したことに再び注目が集まっている」と報道。過去に草なぎさんが日本のバラエティー番組に出演した際、映画「シュリ」に出演した宋さんについて「僕が一番韓国の俳優でリスペクトしている方」と紹介したり、韓国のバラエティー番組で「(宋さんは)ファンなのでぜひ一度会ってみたい」などと発言したことを伝えている。
聯合ニュースは、
「ネイバーなどの主要ポータルサイトで、『SMAP』がリアルタイム検索キーワードに浮上した。ネット上では、特にSMAPの歌を聞いて、出演ドラマや映画を見ながら育った世代の衝撃と失望感が大きかった」
として、
「ひとつの時代が終わった」
「スマップ解散で私の人生も一緒に沈んでいく」
といった嘆きの声を紹介した。
韓国の多くのアイドルグループがSMAPを手本にしている
大手通信社の「ニューシース」は、韓国の多くのアイドルグループがSMAPを手本にしていることを指摘した。
「『スーパージュニア』など国内アイドルグループの中でもSMAPをロールモデルとするチームが多い」
台湾でも、台湾当局が運営する中央通訊社(中央社)が
「日本史上最強のアイドルグループの解散が報道されると、アジアのネットユーザーにも激震が走った」
と驚きを伝えている。「自由時報」も「日本のSMAPが驚きの分裂!」と報じた。
中国紙「SMAPは『70後』『80後』の青春の思い出に加わることだろう」
SMAPは2011年には中国でコンサートを開いている。上海の朝刊紙、新聞晨報は
「デビュー時のSMAPは最年長が15歳で最年少が11歳だった。25年をともに過ごしたが、解散の宿命からは逃れることができなかった。SMAPは『70後』『80後』の青春の思い出に加わることだろう」
と論じた。『70後』『80後』は、70~80年代生まれの世代を指す。一人っ子政策や改革開放政策が始まった頃だ。
英BBCは、解散の「噂が広がっている」と抑制的な表現だが、「芸能事務所の政治」にも踏み込んで事実関係を報じている。BBCも同様に、SMAPが幅広い世代から支持されてきたことを指摘した。
「アジアやそれ以外での人気という点では、今となってはK-POPがJ-POPを大きく上回っているが、SMAPなどが最初にアジアでブレイクした男性アイドルグループだと考えられている。SMAPは30年以上にわたって芸能界でファン層を開拓してきた。このアイドルグループとともに成長してきた30代やそれ以下の世代は、解散のニュースにショックを受けることだろう」