男性デュオ「CHAGE and ASKA」のASKAさん(57)が、有罪判決を受けた覚醒剤事件についてブログに長文をアップし、すぐに削除されたことで、大きな波紋を広げている。
「今回、私には何があったのか、どうしてそうなったかをお伝えしようと思いました」。ASKAさんはブログの冒頭、事件について謝罪したうえで、こう書き始めた。事件では、2014年9月に覚醒剤取締法違反の罪などで懲役3年、執行猶予4年の判決を受け、判決が確定している。
「盗聴・盗撮の被害に遭っている」と訴え
ASKAさんは当初は、本にするつもりだったらしく、ブログは、20章にわたり、10万字近く書き込んでいた。2016年1月9日夜にアップされた後、数時間後の翌10日未明に削除されたが、12日夕時点では、キャッシュがまだ残っている。
それによると、ASKAさんは、1996年に招かれたロンドンのライブ後にクラブに行ったとき、薬のことを知った。ある男から「エクスタシー」と呼ぶ白い錠剤を勧められ、ASKAさんも試しに飲んだ。非合法ドラッグのMDMAのことで、ASKAさんはその体験を「体が軽くなってフワフワ」「脳に掛けてあった鎖が外れた」と表現している。
その後、しばらくドラッグに関わることはなかったというが、あることがきっかけで心が弱った感じに悩まされるようになった。
それは、タレントの故・飯島愛さんや自殺した女友達がネットストーカーによる盗聴・盗撮の被害に遭っていると、ASKAさんに訴えたことだった。ASKAさんも、ストーカーを突き止めようとパソコンに向かっていたところ、ASKAさんが電話で話したことなどがネットに書き込まれていると信じるようになった。「誰かに監視されている」と思い、部屋で大声を出すと、ゲーム会社にサンプリングされてゲームに使われたとも主張している。
そして、2010年になって、暴力団関係者の男に薬を求めるようになり、覚醒剤にまで手を出すようになったという。
「アルバム5枚分の楽曲も完成させた...」
また、覚醒剤で気持ちよくなろうとしたわけではなく、盗聴・盗撮の被害と戦おうとしていたからだと説明。暴力団関係者から入手していたことについては、「私は裏社会との黒い交際などというものはない。接点は持ってしまったが、騙されただけだ」と主張している。
覚醒剤疑惑を報じた週刊文春に対しては、「極めて悪徳で極悪な週刊誌だ。私は、基本的に週刊誌の取材は受けないスタンスだ」と非難している。
ブログでは、ASKAさんの愛人とされ、同様に有罪判決を受けた栩内(とちない)香澄美被告(38)についても、えん罪だと擁護論を展開している。2回目の毛髪検査ではMDMAが検出されなかったことを根拠に、栩内被告の控訴を棄却した裁判所の判断を批判した。しかし、「私は、何も罪のない一人の女性を犯罪者にしてしまいました」とお詫びの気持ちも示している。
そして、苦しみから逃れるように楽曲制作を続け、アルバム約5枚分を完成させたといい、執行猶予中ではあるものの、音楽活動への意欲も示した。「自費出版」でも構わないので、1年間で最低2枚は発表したいと、具体的な計画も明らかにしている。
このブログについて、ネット上のファンからは、早い復帰を望む声が出ている一方で、「被害妄想?幻覚?」「覚せい剤の後遺症か」といった指摘も出ている。ASKAさんが盗聴・盗撮と訴えたことについては、ASKAという登場人物が出てくるゲームのネット掲示板情報を勘違いしたらしいとの推定も流れている。
出版のめどが立たずにブログにアップしたものの、ASKAさんの周囲が気づいて削除させたとのではないかとの報道もあり、当面、真相をめぐって様々な憶測が流れそうだ。