会場の機材を破壊、拡声器で式を妨害...。今年も話題となった「成人式で荒れ狂う若者」をめぐり、お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さんが「成人式なんてやめちゃえば?」と思い切った提案をしている。
「荒れた成人式」ニュースの影響もあるのか、賛意を示すリプライが多い。また、田村さんが同時に行ったSNS上のアンケートでも、半数以上の回答者が、廃止も含めて何らかの変化が必要、との認識を示している。
小林よしのり氏「ハロウィン式」提案
田村さんは成人の日の2016年1月11日、「成人式なんてやめちゃえば?」とツイートした。毎年決まって報じられる「荒ぶる成人式ニュース」が新しい「荒ぶる成人」を生み出していると指摘し、「どうしても(成人式を)やるなら卒業した中学で規模を縮小してやればいい」「行政がやらなきゃダメなのか?」「荒れ狂う若者急増で全国的に廃止って流れでよくね? 個々でやれば」と問題提起した。
そして次のツイートでは、成人式のあり方についてのアンケートをフォロワー向けに実施。12日18時現在までにおよそ6万900票が集まり、結果は「今まで通り必要」は33パーセント、「形を変えて必要」は35%、「必要ない」は23%、「わからない」は9%となった。70%の回答者が式自体は必要との認識を示した一方、「廃止」も含む何らかの現状変更が必要だとする回答者は半数を超えた。
漫画家・小林よしのりさんも11日のブログで、「ろくでもない20歳が浮かれ出てくる」と荒れた成人式の様子を批判。廃止や中止までは言及しなかったものの、「(成人式で)幼児化した20歳に媚び売って、ヘタクソな歌うたってニュースになる」大人が「成人を劣化させる」と言い放ち、ほとんどのイベントが行政主催でない「ハロウィン式」にすればいいと提案している。
太平洋戦争の後に始まった「成人式」
諸説あるものの、成人式は1946年11月、埼玉県北足立郡蕨町(現在の埼玉県蕨市)で初めて開かれたとされる。太平洋戦争で荒廃した地元を盛り上げるため、当時の埼玉県蕨町青年団の団長が企画。蕨第一国民学校(現在の蕨市立蕨北小学校)の校庭にテントを張り、若者を励ます集会が実施された。
その後、政府が「成人の日」を1月に設けたため、今につながる催しが全国に広がった。しかし、近年では式を妨害したり、式中に迷惑行為をはたらいたりする「新成人」が問題となっていた。今年も水戸市や北九州市で、派手な衣装に身を包んだり、大声で騒いだり、式を妨害したりする新成人が現れた。
毎年同じようなニュースを見ているためか、「成人式不要論」は以前からネットで根強く支持されている。15年1月6日から15日にかけてYahoo!が実施したアンケート「成人式は必要?」でも、不必要(47.1%)が必要(44.9%)を上回っている。