戻すのに3倍の期間頑張っても難しい
結果は驚くべきものだった。たった2週間だが、若者の筋力は平均で28%、高齢者は23%低下することが明らかになった。筋肉量は若者が平均485グラム、高齢者で250グラム減少した。もとの筋肉量が多い人ほど減り方が大きく、失った筋肉量は、若者は高齢者の2倍近くにのぼった。20代の若者でも2週間体を動かさないと、体力が40~50歳代並みに低下した。
さらに研究チームは、参加者に2週間の運動禁止状態の後、週に3~4回の自転車トレーニングを6週間続けてもらい、体力の回復具合を調べた。その結果、若者は元の筋力が回復した人が多かったが、高齢者は回復した人がほとんどいなかった。年をとると筋肉を増やすのが難しくなり、2週間の運動不足は、3倍の期間頑張っても取り戻せなかったのだ。
ヴィジョル博士は「高齢者は運動不足になると、一度失った体力を戻すのに時間がかかります。ふだんからマメに体を動かすことが大事です」と語っている。