脂肪はつきやすく落ちにくいが、筋肉はつきにくく落ちやすい――。この厳しい現実をはっきり見せてくれる研究を、デンマークのコペンハーゲン大学のチームがまとめ、2015年6月、国際医学誌「ジャーナル・オブ・リハビリテーション・メディシン」に発表した。
入院状態と同じ条件をつくって実験
それによると、たった2週間運動をしなかっただけで、若者は筋力の約3分の1、高齢者は約4分の1も失うという。
実験には平均年齢23歳の若者17人と、平均年齢68歳の高齢者15人が参加した。研究チームは、参加者の足に固定器具を2週間つけて動かせないようにして、筋力と筋肉量がどれだけ低下するか調べた。
同大学健康加齢センターのアンドレアス・ヴィジョル博士は「実際に病気やケガ、あるいは休暇が続いて体を動かさない状態が続くと、体力がどれだけ落ちるかわかっていなかったので、入院状態と同じ条件をつくりたかった」と実験の狙いを説明する。