世界同時株安が止まらない 「震源」が中国、中東、そして原油安と広がる

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原油安が米石油メジャーの株価を押し下げる?

   投資家心理をさらに冷え込ます要因には、中東でサウジアラビアがイランと国交断絶を表明するなど緊張が高まっていることや、2016年1月6日に北朝鮮が「水爆実験」を実施したと発表したことなどの地政学リスクの高まりもある。

   一方、ニッセイ基礎研究所経済研究部のシニアエコノミスト、上野剛志氏は「原油安が気になる」と話す。「原油安は米国の石油メジャーの株価の押し下げ要因になります。市場全体のウエートも高く、原油安が続くと米株安につながり、つられて日本株が下落する可能性が高まります」と説明する。

   株安だけでなく、米国経済の減速につながることも考えられる。原油安は、消費者にとってはガソリン価格が下がるなどのメリットをもたらす。そのため、実体経済への影響は軽微との見方が少なくないが、「(原油安が)長期化して、株安などによる企業活動、また消費マインドを冷え込ませるようなことになれば、景気の後退ムードからさらなる利上げも遠のきます」と話す。

   米国経済が減速すれば、再び円が高騰。日本では輸出企業を中心に株価が下落する――。そんなシナリオがみえてくる。

   ちなみに、東京外国為替市場は2016年1月8日、1ドル118円台を付けた。15年12月31日の終値は120円30銭で、約2円(1.67%)円高ドル安が進んだことになる。これが年明けに日本株が売られる材料の一つとなったわけだ。

   今回の株安はこうした複数のリスクを回避しようと、投資家が売りを急いだことが直接の原因。株式市場で高まった警戒感が一服するまでは、波乱含みの相場が続くのかもしれない。

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