東京大学大学院総合文化研究科の博士課程に在籍する社会学者、古市憲寿さん(30)による「ハーフは劣化が早い」発言をめぐり、古市さんの指導教員がSNS上で批判、謝罪した。
博士課程院生の学外行動について謝る必要はないといった声も寄せられているが、当の指導教員は「『製造物責任』のようなものが問われかねない」「他のゼミ生の名誉のためにも反論した」と語る。
「ウエンツさんに怒られても不思議ではありません」
「これは明らかな差別発言です。人種的な特性について特定のレッテルを貼る行為で、ウエンツさんに怒られても不思議ではありません。本来『ハーフ』という表現も良くないのですが」
古市さんの指導教員で同研究科の瀬地山角(せちやま・かく)教授はJ-CASTニュースの取材にこう話す。
2016年1月1日放送のバラエティー番組「ワイドナショーSP」(フジテレビ系)に出演した古市さんは、タレント・ウエンツ瑛士(30)さんに「一番いい時期って、ハーフってなんで劣化するのが早いんでしょうね」と発言。ウエンツさんの反論にも、「ウエンツさんのことじゃなくて、でも、一般的になんか、劣化って早くないですか?」と重ねて持論を述べた。
番組放送後、これに対し「差別発言」との批判が殺到。事態を察したのか、古市さんも5日にウエンツさんとの2ショットをツイッターで投稿し、「安心してください。仲良しですよ」と「釈明」した。しかし、なおも批判は収まらなかった。
こうした流れをうけ、瀬地山教授は7日、フェイスブック上で「(発言は)私の責任でもあります」「当人にも伝えるつもりです。申し訳ありません」と謝罪していた。
取材中、記者が古市さんの「釈明」投稿に触れると「別の事情があると当人から聞きましたが、問題であることに変わりありません」と一蹴し、
「ウエンツさんと仲が良いかどうかは問題ではありません。差別主義者が使う『I HAVE BLACK FRIENDS』という言い回しを地で行くものでしょう。なぜこんな投稿をしたのか理解に苦しみます」
と厳しく非難した。