メーカー側も予想できない「トンデモ」行為
ただ、一部では「こんなに無防備な構造してるのか最近のプライズ物の筐体って」と、筺体の「防犯機能」が不十分なのではないかと問題視する向きもある。実際のところ、こうしたUFOキャッチャーにおける「ルール違反」は、どんな状況でも実行可能なのだろうか。
一般社団法人「日本クレーンゲーム協会」によると、「取り出し口から景品を入手しようとするトラブルは、そこまで珍しいケースではありません」。協会が運営しているゲームセンターでも、同様のトラブルは散見されるという。
しかし、メーカー側もこうした不正行為をただ見過ごしているわけではない。取り出し口に手を入れると警報が鳴り響くなど、何らかの対策が施された筺体がほとんど。そのため、今回のように実際に景品が持ち出されてしまうことは稀だという。
実は、動画に登場する筺体も、本来なら取り出し口から内部へ手を入れることができない構造になっている。協会の担当者は今回のケースについて、「筺体に潜り込んで腕を伸ばしたのが身体の小さい子どもだったため、わずかな隙間から手が入り景品を獲得することができたのでしょう」として、メーカー側も予想していなかった行為だと見ている。