東芝、1万人超リストラ後に描く「V字回復」の実現度 不正会計のツケ、垂れ込める経営の暗雲

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「虎の子」の中核子会社も売却

   ただ、大規模なリストラを実施したからと言って、業績を回復できるかは見通せない。不適切会計問題を受け、東京証券取引所は東芝を「特設注意市場銘柄」に指定。問題企業として投資家に注意を呼びかけたわけで、東芝は当面、市場からの資金調達が十分に行えない公算が大きい。

   一方、巨額の赤字計上により、株主資本は2015年3月期末の1兆840億円から、2016年3月期末には4300億円へ大幅に減少する見込み。東芝は業績堅調なヘルスケア部門の中核子会社、東芝メディカルシステムズの売却も発表したが、成長事業に位置づけていた「虎の子」企業を手放すことになったのも、東芝の苦境の裏返しと言える。

   東芝は今後、原子力発電などエネルギー事業、半導体の「ストレージ」事業に経営資源を集中させる方針だ。しかし、原発は東電の原発事故以降、新規建設を受注できておらず、市況の変動が激しい半導体も安定的な収益を上げるのは容易ではない。東芝の経営の先行きには、いまだ暗雲が厚く垂れ込めている。

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