「仕事ができれば、給料を上げている」
前出のFAXを送った埼玉県内の団体の主宰者は、ネット上の批判について、「ネガティブなところしか見ていない」と反論し、法律を守ってやっていると強調した。この主宰者は、実習生受け入れをサポートしている同じ埼玉県内の協同組合などの委託を受け、1年ほど前から受け入れ企業を月1回巡回する管理業務をしているという。
主宰者は、ほとんどの企業は、実習生を採用した1年目は、最低賃金で雇っているのが実態だとし、「仕事をちゃんとやってくれれば、企業も給与を上げています」と説明した。
実習生が残業や休日出勤をした場合は、法律に基づく割増賃金を支払うよう企業にお願いしているともした。病気などの場合は、休みも取れるという。
「実習生本人は、仕事を休みたがりませんよ。もっと稼ぎたいという思いが強く、その意味で書きました。最低賃金でも喜んでおり、残業代なども出ますので、いい給料をもらっていると思います」
この主宰者に管理業務を委託している埼玉県内の協同組合では、取材に対し、理事長が次のように説明した。
「確かに、ほとんどの企業が最低賃金で雇っていますが、仕事ができれば給料は上げています。最低賃金のことを言い出せば、制度そのものが崩壊してしまいますよ。各企業が実習生の給与から家賃や光熱費の一部を引いているのは確かですが、法律に基づいてやっています」
ただ、主宰者が送ったFAXについては、不愉快にさせるような内容なら止めるように本人に伝えたことを明らかにした。主宰者は、今後は前出のような内容のFAXを送らないかについては、「お答えできません」としている。