米カリフォルニア州グレンデール市の公園に「慰安婦像」設置を推進した団体「カリフォルニア韓国系米国人フォーラム」(KAFC)が、さらに攻勢を強めている。カリフォルニア州の公立学校では17年度からカリキュラムが改定され、歴史・社会科学分野の10年生(日本の高校1年生に相当)の原案には、いわゆる従軍慰安婦問題が盛り込まれる見通しだ。
KAFCはこの原案を支持する署名サイトを設置し、サイト上の請願文では慰安婦の数を,「40万人」と明記。グレンデール市の像を説明する記念碑には慰安婦の数が「20万人以上」と記されており、従来よりも倍増させている。この「40万人」という数を既成事実として定着させようとする狙いが透けて見える。
「組織的性奴隷制度の一例、20世紀最大の人身売買の事例のひとつ」
2015年12月にカリフォルニア州教育局がウェブサイトで公表したカリキュラム案では、慰安婦問題について、
「『従軍慰安婦』を、組織的性奴隷制度の一例、20世紀最大の人身売買の事例のひとつとして教えることができる。従軍慰安婦の推定総数はまちまちだが、多くの人が、数十万人の女性が日本の占領下でこういった境遇を強いられたと主張している」
という記述がある。「性奴隷」という単語など、総じて韓国側の主張に沿った内容になっている。この原案をさらにKAFCは後押ししたい構えだ。KAFCのウェブサイトにこのほど新設された署名ページでは、
「この人道に対する罪、近代社会で最大の組織的性奴隷制度の事例を子どもに教えることは非常に重要な意味を持つと信じる」
などと原案を支持する文章が掲載されている。日本側にとって最も問題になりそうなのが、「40万人」という数字が唐突に「事実」として記載されている点だ。
「少なくとも11か国から40万人もの女性や子どもたちが影響を受けたという事実と、日本政府に対して完全にその責任を認めるように求めている被害者が今でもいるという事実に照らして、カリフォルニア州教育局が人類史の重要な出来事を教科書に含めようとする努力を称賛する」