骨粗しょう症の高齢女性に朗報 新しい骨をつくる遺伝子を発見

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   東京医科歯科大大学院の江面(えづら)陽一准教授と野田政樹教授の研究チームが、骨がもろくなる骨粗しょう症を防ぐ遺伝子の1つを発見し、2015年12月1日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。

   骨粗しょう症は、軽く転んだだけでも骨折する恐ろしい病気だ。全国で1300万人、70歳以上の女性の7割が患者といわれ、骨がもろくなる仕組みの解明や治療薬の開発に期待できそうだ。

   骨の内部では「破骨細胞」が古くなった骨を壊して吸収、欠損部分に「骨芽細胞」が移動して修復、骨が絶えず作り替えられている。このバランスが崩れると、新しい骨が作られなくなり、骨粗しょう症になる。

   研究チームは、「NcK」という遺伝子が骨の作り替えに関係すると考え、マウスで実験した。骨にNcKがないマウスを作り、正常なマウスと骨の形成に差が出るか調べた。すると、NcKがないマウスは骨芽細胞の動きが悪くなった。また、NcKを持つマウスでも、大腿骨の骨芽細胞のNcKの働きを抑えると骨粗しょう症になった。このことから、NcKが骨の修復を担う骨芽細胞の移動に必要であることを突きとめた。

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